当時英語の教師をしていた夏目漱石が”I love you.”という英文を『我、君を愛す。』と翻訳(ほんやく)した生徒に対して、「日本人はそんなことは言わない。『月が綺麗ですね。』とでも訳しておきなさい」と言ったという逸話(いつわ)はあまりにも有名だ。確かにそのまま直訳するなら本来『私はあなたを愛しています。』という文章になるにも関わらず漱石がそう訳したのには些(いささ)か疑問を抱く点ではある。しかしながら俺はその感性に大いに賛同している。
しかし俺がそれを同じように自己流で訳すとするならば、『俺と一緒に死ぬ覚悟はあるか』になるだろう。まあ結局そう訳したところで先の漱石のものへの返答として挙げられる事のある、『死んでも良いわ。』と同じことになるわけだが。
さて、話は変わるが今から俺はお前に一つ問う。お前には『俺と一緒に死ぬ覚悟はあるか』?