賑やかな駅の周辺は色とりどりの店が建ち並び、時間潰しにはうってつけです。
ご飯屋さんやカフェの前には看板やディスプレイがここぞとばかりに客を誘います。
無駄にふらりと歩いてしまいたい本能を抑え込むように、私の理性はスマホを片手にマップを開いてしまいます。行く宛も無いのにわかりやすい道を真っ直ぐ、音楽で耳を塞いで足早に歩き続けます。(どうでもいい話ですが音楽はsyudou、あのちゃんが好きです。)
軽薄な誘いに耳を汚されることも無く、淡々と黒い空の下を歩くのは嫌いでは無いです。
喧しい大衆酒場を横目に過ぎ、歩道を埋めるいい歳の大人達の隙間をすり抜け、阿保らしくなったところで夜は静かな喫茶店やカフェに入ってホットドリンクを飲みます。
道すがら野良猫に出会えれば一瞬で目の前の世界は変わるのですが、滅多にあるものではないので最初から期待はしません。野良猫も人間につまらない期待をされる為に生きているわけでも無いので。
チェーンでも個人経営でもこだわりは無いのですが、とにかく人が少ない場所を探します。自ら人混みを選んで歩きながら、酷く矛盾した思考で行動する自分が知的生命体であることを全く忘れそうで幸せです。
最近、生クリームがたっぷり乗ったココアを見つけてから、ココアを頼むことが増えました。
特に味に感想は無いのですが、生クリームが多いな、少ないな、くらいの気持ちで、出来るだけ隅の方の席に着きます。脱いだ上着を椅子に掛けるのが少し面倒です。
珈琲、ラテ、ソイラテ、紅茶、ミルクティー、抹茶ラテ、ほうじ茶ラテ、レモネード、ホット、アイス。
何を飲もうと自由です。なんてこの小さな自由で満たされるなら、これほど息苦しくはないのだろうなと、ふと思ったりしますが、そうはなれないので実際はどうなのか知る由もありません。
そして、本当に一番飲みたいのはアルコールです。