『会うは別れの始め』という言葉を知っているだろうか。もし知っていなくとも、『出会いがあれば別れもある』という言葉であれば聞き馴染みのある人は屹度多いことだろうと思う。此の言葉は其の儘に受け取ってしまうが故に所謂マイナス的な意味合いで捉えてしまう人が多いと思うが、実は其は本来持つ意味とは全く以て逆の視点なのである。鯔の詰まりは『出会ったならば別れる事も必ずあるのだから、その時々を大事にしよう』という具合の前向きで正反対な見方の言葉なのだ。
斯く言う自分もつい少しの前までは先にも挙げたマイナスな方に於いての意味合いでこの言葉を覚えていたのであった。その後の今だからこそ自分は自身に、そして誰より君にも問おう。その『別れ』とやらをこれから味わう事を互いにさせない覚悟はあるのかを、注ぐ愛情をこれから互いに絶やす事は無いのかを。
自分は君に『別れの無い出会いをさせない』心算であるが、果たして君は自分に『別れの無い出会いをさせない』で呉れるのか。退屈や不満などのない日をずっと送り、また送らせられるか。