第1回 ―転校生はパンクロッカー―
〇〇県立笑港高校、ここに通う少年少女は未来のスターを夢見ながら熱き心を芸や音楽にぶつけている青春群像劇(?)である
「みなさんおはようございます、急ですがこのクラスに転校生が来ます」
「おだせん、転校生って男?女?」
「少なくともニューハーフじゃねぇだろ」
「まぁ俺たちはまだ将来の希望があるけど先生達には・・ねぇ・・」
生徒が発した余計な一言がきっかけで転校生歓迎ムードが一転して何かこう凍り付いたムードになった時最初に口を開いたのは担任の小田先生(通称・おだせん)だった
「・・誰だ今先生達の悪口行った奴らは」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「3数えるうちに立たないと先生知らないぞ」
と言うと女子生徒の藤居(通称・ナオ)と伊達(通称・だてちゃん)が指さしたのは男子生徒の高木と清水だった
(おい藤居、チクるんじゃねぇぞ)
(本当だよ、おだせんは怒らせたら厄介なんだから)
「高木、清水、先生たちの何処に希望が無いんだ、先生怒らないから本当の事言ってみろ」
「出た~教師あるある「怒らないから本当の事言ってみろ」だ~」
「厄介なんだよな~」
「僕たちはですね・・その・・」
「何だ」
「俺達は・・その・・ですね・・」
「清水、指やめろ指、手遊びや指いじくりながら喋るのは鬱陶しい」
「俺達にはその・・希望があるんですけど・・先生達にはその・・敷かれたレールだけで歩いてるので正直希望は一つもないかなって・・」
おだせんは血相を変え怒鳴りながら一言
「んだとお前ら謝れ~~~~!!」
と言い教室中を走り回っていると転校生らしき人物が
『先生、今日はもう帰っていいですか、日を改めて来ますんで』
「ごめんごめん、入りなさい・・話を元に戻すが今日からこのクラスに転入してきた甲本ましろさんだ、甲本さん、皆に挨拶しなさい」
「横須賀から来た甲本ましろです、よろしくお願いします」
転校生を見て生徒たちは驚愕した、鋭い目に頭ツンツンでバンダナ状のターバンを巻いて革ジャンを着ている・・ナオは思った(きっとサイヤ人みたいな育てられ方したんだろうな・・可哀そうに・・)と
。
「甲本さんは・・後ろの適当に開いている席に座りなさい」
「(おい、転校生の奴だてちゃんと同じ位喋らないぞ)」
「(屋敷、まだ初日だから緊張してるんだよ、クラス総出で優しくしてやろう)」
『ダネェ』
「出たぁ~藤居のモノマネの十八番フシギダネのモノマネ~~~」
「そうだぞ、みんなで広~い心で仲良く優しくしてやろう」
「でもそう言ってる奴に限って器が小さかったりするんだよな~」
クラスの年長者の雅紀ちゃん(御年50歳)のギャルより空気が読めない一言で一瞬凍りつきまたもや往年のプロ野球の乱闘シーン並みに争っているとクラスの副会長の伊藤が一言
「お前ら、クラス内やクラスメート同士のマジ切れ禁止だろ!!」
『そだね~~』
・・やっぱり・・来る学校間違えたのかな・・と思いながらニヤリと笑みをこぼした甲本、果たして癖の凄すぎる生徒たちの日常はどうなりますことやら・・・
続く