こんにちは。今回は、特撮『仮面ライダーセイバー』についての考察をしたいと思います。
2021年7月現在、厳しい社会情勢の中で、最新の撮影技術を駆使しながら
放送が続いている仮面ライダーセイバー。
剣と本を題材にしたファンタジー色あふれる作品となっていますが、
近年の仮面ライダー作品と比べると、アンチ意見が散見し、
人気が劣っているという印象を持つ方もいる事でしょう。
ではなぜ仮面ライダーセイバーが「つまらない」などの意見が出るような作品になってしまったのか、
その理由について考察していきたいと思います。
仮面ライダーセイバーがつまらないと評されている理由の1つに
「ストーリー展開が急すぎる」という意見が挙げられます。
「数多くのライダーに変身するキャラクターを登場させる」というコンセプトが、
ウリの仮面ライダーセイバーですが、それぞれのキャラクターの出自や主人公との関係性などを
深く掘り下げることのないまま、大枠のストーリーが進んでしまっていることが
その要因といえるでしょう。
キャラクター同士の関係性も表面的なものしか見えず、
敵キャラであるメギドの中の関係性も必要以上に隠し続けていることから、
ストーリーその物も、ぼやけた印象を受け、主人公が目指す明確なものを見失いかけています。
さらに追い打ちをかけるように、もう一つ、
「限定配信スピンオフ作品ありきのストーリーを流してしまった」という点です。
第20話で起きたあるシーンについてです。
問題のシーンは、敵のメギドであるデザストが仮面ライダー剣斬に対して、
「やはりお前はこちら側の人間だ」というセリフを言い放つ、というものでした。
このセリフだけを切り取ると一見して不自然なところはありませんが、
セリフを発した経緯にまで目を向けると、本編だけ見ている人には前後の関係性に何の脈絡もなく、
まったく理由がわからないものとなっています。
実は、このセリフの真の意味を理解するには、限定配信されていた、
スピンオフ作品「剣士列伝」の2話「仮面ライダー剣斬」を視聴しなければいけなかったのです。
本来ならば、スピンオフ作品は本編のストーリーに大きく影響しない形か、
本編終了後に本編を補足する内容で放送されるなど、あくまで本筋のストーリーだけで
楽しむことができる状態を壊さないようにして作られるものです。
ところが、今回は上記のように本編に大きく関係する内容と思われる演出を出したことで、
本編しか見ていない人だけでなく、そのスピンオフ作品を見た人も違和感を覚え、声をあげています。
有料動画配信サービス内のみという限られた閲覧方法しか取られず、
当然、費用もかかるコンテンツであることから、「視聴者を置き去りにしているのではないか」、
という意見が挙がっても仕方がない状況となってしまいました。
そして、何より「つまらない」とされる最大の理由は、主人公の神山飛羽真の芯の無さにあります。
なぜ、急に聖剣を手にして、急に正義のヒーローになれるのだろうか。
「あの事件があったからとか、あの過去があったからこの発言があるんだな」
という話の深みはない。
この主人公を形容しようとしたら、本を書けるただの良い人としか言えない。
なにより主人公の過去についてが一番、良く分からないと思います。
最初は、過去の記憶がないという割とありがちな設定。
結局、急に思い出したはいいものの特に説明はなし。全貌は明かされないまま、
あたかも全貌を明かしているかのように話を進めている。
毎回よくわからない少女と幼馴染と三人で本を読んでいるシーンしか出てこない。
主人公の言動についても良く分からない。
例えば、第26話の内容をざっくりと説明すると、
俺は賢人を信じる → 俺は賢人を信じる → 俺は賢人を信じる(???)
なぜ、そう思っているかが全然分からない。読み取れない。
「主人公は良い人だからねー」「そっかぁ(*´ω`*)」となるわけがない。
根幹にかかわる話をすると絶対にいまいちになり、説明不足。
今まで主人公をヒーローっぽい言葉を話すただの良い人としてずっと扱ってきたからであり、
キャラクターの成長物語をして来なかった結果に過ぎない。
今回は、仮面ライダーセイバーのつまらないと評されている理由について考察しました。
脚本などにいろいろ問題点も確かにありますが、ここからの人気の巻き返しを図る事は、
製作者側の責務であると言えます。