小説

ブルーパシフィック(3)

『皆さんはどうやら30年前の今日、あの大量殺人事件の当日に来てしまったようですね』

「え~~~~~~~~っていうかあんた誰?まさか不審者・・」

「不審者ではありません、私は隣にいる刑事さんとたまたま学校に入ろうとしたら謎の地震に巻き込まれただけですよ・・言うなれば皆さんと同じ被害者です」

「刑事~~~校長、何か罪を犯したの・・」

「高田刑事に南出刑事ですか・・なるべく学校には来ないでくれと言いましたね」

「校長先生、とは言っても30年前の事件はまだ解決してへんのですよ、私達もですね・・もうすぐ定年何で最後の仕事の意味を込めて・・」

背の高い刑事が事件の解決の為に学校へ来た事を話していると奈津美と青空が笑うのを我慢して吹きかけていた

「南出刑事と高田刑事てっ・・」

「オー〇阪〇巨〇か・・中田〇ウスボ〇ンかよ・・」

「ガキ二人聞こえてるぞ・・ったく人が真面目な話している時に・・」

「ここは真面目な説教じゃなくて「パンパンやろが」だろ・・」

「・・もしくは車がポピー・・」

「パンパンとか車がポピーとか貴様ら大人を馬鹿にしているのか・・」

奈津美とましろが失礼な事を言ったとは言えレディを殴るのは男がすたると思っているダンディな刑事二人の怒りの矛先は西村に向かっていた・・

「・・刑事さん・・何で警棒を俺に向けてるんですか・・」

〈バキッ、バキッゴスッ〉

「ノォッ、ノォッ、話せばわかる、話せばわかる」

『話せばわかるって犬養毅か~』

「何か生理的にお前の顔はムカつくんだよ」

「あの警棒本物だね・・強化ガラスや車の窓も簡単に壊せるタイプの」

「・・あれ絶対青あざが1週間つくだろうな」

数分後、更に重い口を開いたのは奈津美だった

「・・とりあえず・・唯一鍵が開くのは教室なので何かあった時もここの待機しましょう」

「って言うか何でしきってるんだ」

「成り行き上・・」

こうして30年前の今日に来てしまった12人はどうしたら元いた世界へ帰れるのかない脳みそしぼって考えていた・・すると廊下で誰かの走る音が聞こえた・・全員は硝子越しで廊下を見ると顔こそ見えないが犯人らしき人物が血の付いた包丁を持って走っていた・・

「誰かいたか・・・」

「30年前の・・事件の犯人が無表情で血の付いた包丁持って走っているよ」

「やべぇぞ、とりあえず犯人が入ってこない様に入り口を棒と机で塞げ」

「・・もしかしたら・・私達は30年前の事件の被害者として・・犯人にここで殺されるかもしれませんね・・」

「他人事だね」

教室の光に気づいた犯人は教室へ向かって走り無表情でガラスを壊してドアを開けようとしていた・・男性陣はとりあえず机を積むだけ積んで開けられなくすると観念したのか犯人は何処かへ消えた・・

「・・やべぇぞ・・今のは完全に俺たちを殺そうとしていたな」

「冗談はやめて」

「冗談じゃねぇぞ」

―続く―

水川べる

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