小説

朝日のあたる家

今日もいつもの様に朝は明ける、だって地球は皆のものだからね
この夜明けが自分が見る最後の夜明け・・生きる未練なんて何処にもないね・・でも・・
「すみません・・電話を・・かけさせてもらえませんか・・何・・すぐ終わってすぐに出発します・・」
女は電話をかけるとその重い口を開いた、
「もしもし・・」
『もしもし・・みやぎさん・・』
「この電話が終わると自分は出発する・・」
『俺のせいでごめん・・本当は俺が行くはずだったのにみやぎさんが・・』
「・・何・・男女雇用均等でいずれ行く事が決まっていたんだから」
『まさかね・・君がやるとは思わなかったよ』
「・・自分も国の為に働けて本望だよ・・後悔してないし未練もない・・自分自身にはそう言うのはないけど・・君の事も後悔したくないし・・なかった事にするのも嫌で電話したんだ」
『・・・・・』
「・・覚えてる・・アパートに住み着いたクモにうまい棒のかけらをあげたら物凄い勢いで食いついてさ・・二人で笑ったよね・・夜明けだったから大家のバァさんに怒られてさ・・」
『うん・・』
「夏休みに二人で集落の川に行って鯉に畑でパクったミカンとバナナあげたら口をパクパクして何匹か浮いてたね」
『そうだね・・その後農家のおじさんに怒られて慌てて逃げたよね』
「・・じゃぁ・・もう・・行くね・・」
『ちょっ・・』
「もし・・この下らない仕事が終わったら・・自分の故郷へ一緒に来てくれないか・・両親に・・世界中の誰よりも・・神様よりも大事な人ですって紹介したいから・・」
女の最後の一言とも言える言葉を聞くと男は泣きながら女に
『・・俺もさ・・最後に一言言って良い・・お願い・・生きて帰って・・生きて帰ったら・・俺よりも・・一日も多く・・長生きして・・』
「お前もな」
『そうだね・・』
と言うと女は電話を切り上着を着ると飛行機に乗った・・仕事と言うのは戦地へ行って母国の為に戦う事だった・・特に女はほぼほぼ特攻隊に近い仕事でいつ生きて帰るのかわからない仕事で顔色一つ変えず飛行機のエンジンをかけて大空へ飛んだ・・飛行機の窓には女とその恋人が幸せそうな顔で写ってる写真だった・・時は第三次世界大戦・・男女関係なく志願兵を募り今度こそ敵国へ勝利するために第二次より更にヒステリックになっていた・・若者達の戦いは今・・始まったばかりである・・

水川べる

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趣味はお笑い鑑賞と子犬の赤ちゃんの面白ビデオを見る事、変な所で器用スキルが発動する器用貧乏ですがよろしくお願い致します。


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