ふうこい、おもしれえ。
こんにちは。青春コンプレックスの塊です。
イチャついてる学生服のカップルを見るとお腹痛くなっちゃう。
リアルでも嫉妬するし、アニメにも嫉妬する。学生同士がイチャイチャするアニメを見るとゴリゴリ削れていくのだ。精神力が。
そんなわけで、ラブコメは描写のあちこちが地雷原なので避けるようにしているのだが、そんな僕でも時々めっちゃハマる作品がある。今期にも一つあって、それが「夫婦以上、恋人未満」、略して ふうこい と言うアニメだ。
ラブコメで僕が好きになる作品は「彼女、お借りします」とかもそうだが、大体、主人公も相手もお互い恋の悩みにどっぷりつかっている。嫉妬、戸惑い、自己嫌悪、時折見せる強さや優しさ、相手を思う気持ち……感情がいっぱいで、整理がついてない感じがしてたまらないのだ。
ふうこいもそんな作品で、もちろんキャラクターはすごく可愛い。だが最大の魅力は別にある。それは何か。
「キャラにめっちゃ感情移入できる事」だ。
見た目通り魅力的なキャラクター
まず、ふうこいの主な登場人物は↓の4人である。
薬院次郎
自他ともに認めるネクラ。中学の頃に初恋の相手で幼馴染の桜坂詩織からフラれてしまった(誤解)が、今でも想い続けている。ギャルである星の事を最初は良く思っていなかったが、彼女の明るさや純粋な可愛らしさに触れていくうちに、大切に思うようになる。
渡辺星(あかり)
周囲からもスタイルや容姿の良さを褒められる今どきのギャル。明るく強気な性格で、次郎の事をよくからかう。だが本人も恋愛経験は少なく、かなり純情で寂しがり。天神岬波に憧れていたが、次郎の優しさやいざという時の頼もしさに触れるうち、好意を抱くように。
桜坂詩織
穏やかで人見知りな清楚女子。周りには可愛いと思われているが本人は自分に自信がない。実は詩織も次郎の事が好きだが、関係の変化を恐れ、友人関係を維持。そのせいで次郎はフラれたと誤解しているのだが、詩織のほうも次郎に嫌われたのでは、と思っている。
天神岬波(みなみ)
渡辺星の想い人で超イケメン。文武両道、気配りもできる。だが彼にも事情があるようで……?
いわゆるダブルヒロイン系ラブコメで、それぞれ別の人を好きだいうことで共闘を誓うも、次第に互いのことが大切な存在になっていくという展開が気になる王道ストーリー。
そして、ふうこい独特の設定がそれをさらに魅力的なものにしている。
ふうこいがアンチラブコメでも楽しめるワケ
普通の人ならラブコメキャラになんて自己投影できない(はずだ)し、複数人の異性と仲いいゆえの葛藤なんて「興味ないね……」というのが世界の常識、何ならいちゃつくお前らにジェラシーだ、というのは人類の真理なのだが、こと、ふうこいに関してはちょっと違う。主人公たちの嫉妬や不安に滅茶苦茶シンパシーを感じる事ができる。基本別世界の人間であり自己投影なんて到底できもしないラブコメ主人公とかいうクソみたいな存在に非常に共感できる仕組みになっているのだ。
なぜキャラの嫉妬や切なさに共感できるのか。それは「夫婦実習」というふうこいの設定にある。
ふうこい世界のえげつない教育制度「夫婦実習」とは
夫婦実習というのは主人公たちの通う青瞬学院に導入されたカリキュラムである。
その中身は
ランダムに振り分けた男女が学校の持つ実習用アパートで「疑似夫婦生活」を送り、その仲睦まじさによって採点される。
というもの。なかなかイカれた設定である。
しかもこの実習では自室、トイレ、風呂を除くスペースは常に監視下にあり、その行動はすべて「採点」の対象。
親密な関係を築けば点数が上がるが、関係が冷えたり互いを尊重しなかったりすると減点である。
ちなみにこれは授業の一環なので、点数が低ければ単位が取れず卒業が出来ない。
一つ屋根の下で同い年の異性と仲良くならないと高校卒業資格を得られないというわけだ。
いよいよもって文科省の正気が疑われる制度といえる。
なお、未成年の学生にふさわしくない行為(ってなあに?)に及んだ場合も大減点である。確か退学だった気がする。
いずれにせよ、無理やり仲良くしなくちゃいけないシステムを作っておいて、好意が芽生えた結果、そういうことしたら即アウトという特大の罠がしかけられているというわけだ。きっと文科省の偉い人は若い頃モテなかった人間に違いない。ちょっと親近感を感じる。
ともかくも、キャラクターの精神を揺さぶりまくっているのが夫婦実習だ。
好きな子が別の男と暮らしている―居ても立っても居られない。
さて、おさらいしよう。主人公の薬院次郎と「妻」である渡辺星にはそれぞれ桜坂詩織、天神岬波という片思いの相手がいる。
そして当然のことながら、運命のいたずらにより、詩織と天神が夫婦として組む。
こうなると妄想は止まらない。
「気になる相手が、別の男(女)と夫婦として暮らしている」
「一緒に暮らしていたら相手の事好きになっちゃうかもしれない」
「今頃気になるアイツはパートナーとイチャイチャしているに違いない」
気になるアイツがパートナーと二人で買い物していたり、待ち合わせて帰ったり。手作り料理を食べているだろうし、寝間着姿も見せあっているはずである。逆Romanticが止まらない。
しかも全てのペアの点数は定期的に発表される仕組みになっており、詩織天神ペアの点数が高いと負の想像は天井知らずである。
いない歴=年齢の(僕みたいな)恋愛弱者でも嫉妬の経験には事欠かない。
気になるアイツや友人がほかの異性や同級生と仲良くしている。しかも自分には見せない表情をしているのを見たりなんかしたら……そういう人は少なくないのではないだろうか。そうやって、以前は仲良く話せていた相手に棘のような感情が芽生えていって言葉も態度もキツくなりいつしか疎遠に
だからこそ、胸の苦しくなるような状況を毎日突き付けられる次郎たちに共感してしまうのである。
パートナーとイチャイチャして、部屋替えを目指せ!
だが、そんなジェラシーの連鎖を打破する手が一つだけある。それは自分たちも夫婦として高得点をたたき出すことだ。この制度では点数を稼ぎ、ランキング上位を取れば、上位勢同士で同居人をチェンジすることができる。
もはやこの制度を通して日本の教育界が何をしたいのかわからないが、高得点をとれば好きな相手と一緒に住むことができる。
だからこそ次郎と星は高得点を取るために協力するという同盟を結ぶわけだが、
もちろんそれでおさまるわけもなく、初めは何とも思ってなかった相手の意外な優しさや健気さ、頼もしさや可愛らしさに気づいていき……しまいには相手を滅茶苦茶大切に思うようになる。どっちも好きになってしまうのだ。
いとしさも切なさも心細さも2倍増し。自分でも制御できないほど感情の揺れ動く。それが次郎と星の2人分である。
さらに詩織から次郎への想いもあるし、ついでに言うととある人物から詩織へクソ重たい気持ちが向けられている。全部ひっくるめればざっと普通の作品の8倍くらいは感情が錯綜しているわけで、ふうこいというアニメは実にカロリーが高い。
ふうこいの最終回、気になる恋愛の行方
そんなわけで、ふうこいの登場人物たちは毎回のようにとめどなくあふれる恋心にふりまわされるのだが……
長い葛藤の末、とある出来事をきっかけに、ついに星は次郎の事が好きなのだと(もうずっと感づいていたとはいえ)認めた。次郎も、真っ先に考えるのは星のことだ。
しかし、ほんの数秒のすれ違いが波乱を呼ぶ。さらに詩織がついに思い切った行動に出て……という、まさにクライマックスといった展開。こうなるとどうまとめてくるかが見ものになってくる。そしてみました最終回。最後までみんな可愛かった。気になる話のまとめ方は……
ほほーう、なるほどね……。