普段何気なく考えていたことが、果たして正しいのかどうか急にわからなくなることはないだろうか。言葉を正確に扱うべきなのではないか、と。
僕はある。というかまさに、この記事を書いていて思ったのだ。
書いている途中でおかしいな?と思い、いや別におかしくないか、と納得しそうになり、やっぱりおかしいと結論が出たのだが、せっかくなのでそのまま書いていこうと思う。どこがおかしいのか皆さんは気づくだろうか。
では本題だが、僕は事業所に近い某有名スーパーマーケット〇Kでお昼の総菜を買うことが多い。値段が安い割に味がしっかりしているし、量もそこそこでお得。
レパートリーもなかなか豊富で、いろいろな総菜が置いてある。僕が良く買うのは、てんぷらの盛り合わせとかフィッシュバーガー、味噌カツバーガー、フィッシュバーガー、最近のお気に入りは鶏のから揚げである。
トリ肉料理のレパートリー
鶏肉はおいしい。ガーリックやオイル、香辛料を使ったソテーはたまらなくうまいし、ちょっと古びた洋食レストランなんかにある、ジンジャーやバルサミコ酢をつかったチキンステーキもレトロな美味しさがある。
色々な調理法がある鶏肉だが、やっぱり鶏肉の一番のウリは、「揚げものが豊富なこと」ではなかろうか。
鶏のから揚げ、竜田揚げ、フライドチキンなどなど。噛むたびにじゅわっと香ばしい味と、熱々の肉汁が口の中に広がっていく。
肉もさることながら、皮がうまい。唐揚げや竜田揚げの、あのカリカリとした食感と、溢れる油。肉そのものと一緒に食べてもよし、衣だけをかじってもよしである。
フライドチキンの代表格は某カーネルおじさんのケ〇タッキーで間違いない。
なにせ他に似たような味がない。スパイスの調合が独特なのだろうが、もうとにかく皮がうまいのだ。手をべとべとにしてでも食べる価値がある。
ケ〇タッキーのチキンは5つの部位に分かれていて、種類ごとに味や油のノリが違うのだが、僕はしっかり皮につつまれたタイプが好きだ。公式HPによると、サイやリブと呼ばれる部位である。https://www.kfc.co.jp/about_kfc/commitment/parts.html
やわらかな皮が多くてたまらない。
そう、皮がうまい、というのも鶏肉の大きな特徴だ。
甘辛の手羽先の皮は絶品だし、焼き鳥ではトリ皮が大好きだ。海外にも北京ダックというたっぷり太らせたダックの皮だけを食べるすげえ無駄遣い人気料理がある。トリ皮が愛されている証拠である。フライドチキンも唐揚げも、なんなら皮が一番おいしいまである。
食感と肉のうまみを同時に楽しめるのがトリ皮の凄いところなのだ。
さて。
実はここまでの文章の中に「おかしいところ」があるのだが、お気づきだろうか。
正解は「トリ皮を好きと言っておきながら具体例にフライドチキンを挙げていること」である。
そう、よくよく考えたら「フライドチキンの衣」はトリ皮ではない。
僕はこれまで、トリ「皮」と揚げ物の「衣」を混同していたのだ。
ちょっと考えてみたらフライドチキンもから揚げも、むき出しの肉に衣をペタペタつけて揚げている。つまり皮はとっくに剝ぎ取られているのだ。
肉の周りにあるのは「皮」ではなくて「衣」であり、要するに小麦粉だ。
小麦粉の衣を食べながら鶏肉は皮が美味いとか言って憚らなかったのだ。恥ずかしい。面の皮が厚いとはこのことである。(トリ皮だけに)
僕は良く生半可な知識を得意げに披露する癖があるのだが、たまにこういうトンチンカンなことをいう時があるからちゃんと調べ、慎重を期してしゃべらなければいけない。さながら臆病者、すなわちチキンのようにね。(トリ皮だけに)
まあでも、美味いものは美味い
先日、いつものように某スーパー〇Kにお昼を買いに行ったとき、「トリ皮のから揚げ」という総菜を見つけた。食感がカリカリしていて気持ちよく、塩味も効いていて中々美味しい。
まあ、それを食べたから、今までのから揚げの皮はトリ皮じゃなくて衣なんだと気づかされたわけだが、それだけみんなトリ皮が好きだということだ。
噂によると、インドネシアあたりのケンタッキーではトリ皮のフライドチキンなるものも販売されているらしい。日本法人でも販売するべきで、これは絶対に需要がある。
食べ物というのは、正式名称が間違っていたって別にいいのだ。ようは栄養があって、おいしく食べられることが大切。
恥ずかしく思うことはない。いちいち突っ込んでくるような厄介な性格の人のことを慣用句で「くえないヤツ」と表現するが、きっと細かいことを気にしすぎて本当に何も食えないに違いない。
僕らは些細な言葉の違いなど気にせず、うまいものを食べて気分をアゲていくべきなのだ。