ゴールデンウイーク
まさかのまさか
私のグルチャにある連絡が入った
「俺久しぶりに帰ってくるから、久しぶりにみんなで集まらね?」
ひぃいぃいいいいやっほぉおおお!!!!
ついにこの日を待っていた!
そう、これは高校の友達のグループLINE
私は前回もこうやって誘ったのだが、集まる事が出来ず
話は砂となって消えていったのかと思っていた
リモートでギリギリ話しながらお酒を飲むことはできるかなと思っていたけれど、
まさか本当に会えるなんて思いもしなかったのだ!
私は早速
駅で友達と合流し
母校を目指すこととなった
土地開発で私たちのいた校舎は取り壊されて
新校舎になって移転されていたから、
まぁその校舎にはなにも思い出はないんだけどね
友達は別人かと思うほど
大きく変わっていた
カフェから出てきたとき、気づかなかった
高校に着き、高校の事務員さんに
訪問するときは前もって予約するのよと軽くご指摘をいただき、
かつての先生に挨拶しながら校舎を回った
高校を出た後、
私達は夕方一緒に飲もうと居酒屋に向かった
私は居酒屋の前に某ファストフード店で
友達に自分の母が在学中に亡くなっていたことを話した
友達はびっくりしていた
友達は居酒屋で話した
「ピッピ(沙彩)は違う面で親に感謝しているけど、俺も違う面で親には感謝しているよ」
「メンタルで言ったら、俺よりピッピの方が強いよ」
私は真っ直ぐにその言葉を受け止め、ありがとうと返した
でもすぐいやいや、と返した
みんなそれぞれメンタルの強さはあるのだから
私はお母さんを失ったメンタルの強さ
君には君の、メンタルの強さがあるのだから
話は深まり、普段こいつとは絶対にしない恋愛の話を酒の勢いに任せて一周し、
二人ともキャーだの、甘い話だだの、言いながら
話は終盤に差し掛かった
私は自分の話をした
私はよくみんなと比べていた
みんな同い年の友達はちゃんと働いているのに、
私はB型作業所で何やってるんだろう。
もっとみんなと同じように働けるのに
働きもしないで(B型作業所も働いているんだけどね)何やってるんだろ。私
と
すると
目の前で私の話を聞いていた友達は言った
「俺は全然いいと思うよ」
「実はさ、俺の周りにもうつ病の人がいて、その人宿舎を借りて、宿泊施設を作って頑張っているんだよ」
「だから、そうゆうのもいいと思う」
「そんなに深刻に考えないで、バイト感覚で「週2行けたらいいや~」くらいの軽い気持ちでやっていったらいいんじゃないかな?」
私はその言葉が嬉しかった
だって、福祉関係の人だったらわかるけど、
私の障害を知らないで高校で友達になって、
一般の人の立場から、そうやって私の現状を受け止めてくれたのが嬉しかった
なんていいやつなんだろう
なんていい人間なんだろう
なんて素敵な男になったんだろう!
そう思った
私は本当に人に恵まれている
だってこんな素敵な人に恵まれているのだから
こんな素敵な人と友達になれたのだから
ねぇ友達、
今更、本当に今更だけど、
あの日あの部活で、出会ってくれてありがとう
そして友達になってくれてありがとう
あなたがいるおかげで、私今すっごく幸せだよ
夜は更け
私達は帰ることになった
今日はありがとうと言葉を交わした
友達の横顔を見ながら
改めていい男になったなぁと
その懐かしくも誇らしい気持ちにじんわりと浸る
じゃあ
帰りの別れはそっけなかった
友達、ありがとう
いつもみたいにみんなでわいわい盛り上がるのいいけど
こうやって二人でまた話すのも、いいね。
その夜
明日もう一人の友達が急遽会えることになって
二日酔いの体を引きずって会いに行ったのは
また別の話。