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愛と情熱のチャンピオンズミーティング(後編)

チャンピオンズミーティング「ヴァルゴ杯」グレードリーグAグループ決勝。
1プレイヤーにつき3人ずつ、3プレイヤーで競う一発勝負。優勝を決める大一番がやってきた。
各ウマ娘がゲートに入る。
敵チームには水着マルゼンスキー、セイウンスカイの姿があった。間違いなく最大のライバル。この2人を制して先頭に立たなければ勝負は負けだ。
緊張をはらむ静寂ののち、ゲートが上がる音と共に、各ウマ娘が一気に駆け出した。

先頭争いはし烈を極めた。
まず水着マルゼンスキーは後方に。最大の脅威が決定的に出遅れ、ここで優勝争いから早々に離脱する。
1位を競り合ったのは僕のセイウンスカイと相手のセイウンスカイ。抜きつ抜かれつの攻防が一瞬行われる。前に出たのは、相手のセイウンスカイだった。
僕のセイウンスカイの順位が上がらない。あとちょっとまで追いすがるも、抜かせない。

そう、僕はこれを懸念していたのだ
ルームマッチで、決勝直前に何度かみた光景。
僕のセイウンスカイが先頭を取れない。その原因は明らかだった。
賢さのステータスが、重課金の人のウマ娘に比べると少しだけ低い。
ウマ娘のレースの序盤において最も重要なステータスは実はスピードでは無く賢さである。賢さが高い程、ポジション争いに勝ちやすい。僕のセイウンスカイも賢さはかなり高く仕上げたが上位プレイヤーたちのように、限界近い数値ではない。

そのわずかな差が、勝負を分ける。相手のセイウンスカイに先を行かれることは、致命傷を意味する。
相手のセイウンスカイが差を広げ、勝利を確実にしようとしたその時――
やや後ろから、一人のウマ娘が流星のごとく突き抜けてきた。
スマートファルコン。悩んだ末に投入した、僕の切り札だ。
一度抜かれたセイウンスカイが、高い賢さを活かして再び前に出ようとする。だが、譲らない。

スマートファルコンの固有スキル「キラキラ☆STARDOM」はレース中盤の直線で先頭を奪われそうになると発動し、速度を上げる。このスキルこそが、セイウンスカイ水着マルゼンスキーに先頭を取らせず、逃げウマ最強のスキル「アングリングスキーミング」を封じるための切り札なのだ。

しかし、突き放すことができない。相手のセイウンスカイはピッタリと後ろをついてくる。
例え先頭が取れなくても、高いステータスでギリギリ後ろを追走し、レースの中盤に発動するスキルをいくつも発動させて徹底的に追い上げ、最終直線の直前で先頭を奪い取り、アングリングスキーミングを発動させるセイウンスカイにはこれが出来る。僕の育てたセイウンスカイも、その戦法で数々の怪物を打ち破ってきた。相手のセイウンスカイも同じように、次々とスキルを発動させてはスマートファルコンに肉薄する。
差はないも同然で――だが、スマートファルコンは譲らない。

スマートファルコン、通称ファル子は、僕のお気に入りのキャラの一人だ。
育成シナリオで、彼女はどんなに注目されなくても、応援してくれる人が少なくても、常に全力で、笑顔を忘れず、夢のために泥臭く頑張り続けてきた。
シナリオでも史実と同じように、砂の上を走るダートという芝に比べると人気の低いレースが主戦場だったファル子。本来の適正なら走るはずのない、けれど憧れだった芝の競技場。

その先頭を譲りはしなかった。
同じ様にスキルで応戦しながら、一位で最終直線へ突入。瞬間、「アングリングスキーミング」が発動した。この瞬間をもって、後方を走るセイウンスカイ水着マルゼンスキーの勝ちは消滅した。巨星が沈む。

だが、まだ終わりではない。ファル子のアングリングスキーミングは継承固有で、効果が落ちる
「セイウンスカイ以外のアンスキなら、差し脚質に可能性がある」
後方には差しのウマ娘、ウォッカがいた。ウォッカが加速を始める。一気に順位を上げていく。
上手くハマったら驚異的なスパートを見せるのが差しや追い込みだ。その速度の伸びは、逃げウマ娘を圧倒的に凌駕する。

だが、伸びない。
ウォッカはまるで大きな壁にブロックされているかのように、スピードを発揮できていない。
その走る軌道の先に――芦毛の怪物、と呼ばれたウマ娘がいた。僕のオグリキャップだ。

芦毛の怪物は、エースを守る盾としてコースに君臨していた。限界ギリギリまで仕上げたパワーで、ウォッカの押し出しを許さない。
差は開く。ファル子が駆け抜けていく。ラストスパートのスポットライトを一身に浴びて、ファル子は芝の競技場で、頂点に立った。
その少し後ろを、オグリキャップが2位で走り抜けた。役割を十分に果たし、仮にあと少し距離が長かったらファル子さえ抜いたかもしれない追い上げも見せて。

ヴァルゴ杯プラチナ。キャンサー杯に続いて二度目の、グレードA優勝である。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
と、いうわけで、ヴァルゴ杯優勝した。
なかなかの快感である。
色々情報を調べたりして、育成頑張ったので、達成感がある。

なにより、対戦相手には重課金者が多かった。重課金者がウン十万かけて作り上げたデッキで育てたウマ娘を倒せたし、YouTubeの実況者とかでも優勝できなかった人がちらほらいる。Twitterとかを観るとなんか100万円かけても優勝できなかったという人もいるらしかった。エグい額である。
ともかく、自分よりウン十倍も課金してガッツリやりこんでいる人たちに勝ったのだ。

まあその人たちは数あるゲームの内の1つにウン十万課金できるリアルマネーがあるということでよく考えてみれば全然勝ててないような気がするがきっと錯覚だろう。

やっぱり短い距離のレースは良い。資金力に差があっても知識があれば勝ち目はゼロじゃない。モチベーションが上がる。育成で失敗続きでイライラしてたことも今では良い思い出だ。
やっぱりチャンミは楽しいなあ!
まあ、資金力の差がもろに出る中距離以上のレースはウンザリだけどね(笑)
最近の運営はユーザーの要望に応えて、早めに次のチャンミの詳細を発表するようになっている。
モチベも高まってるし、この波にのって次のチャンミも優勝しちゃおう!
えーと次のチャンミの条件は何かな?



菊花賞(3000メートル)(長距離)

はい。


FT

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アニメや映画、プロ野球を見たり、本を読むのが好きです。
浅く広くいろんな作品に触れていくタイプなので、それを活かして記事を書いていこうと思います。よろしくお願いします!


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