彼女のお気に入りの場所がある。
いつも彼女はそこで遠くを見てる。
何処か寂しげな表情で...
それを見るのが、僕の日課でもある。
そして何故か、ほっとする。
誰に取られるわけでもなく1人で遠くをみている彼女を見守るのが、僕の役割。
「はい、喉乾かない?日陰でも、ここ暑いから」
「ありがとう。何かサンタさんみたい」
「そう??」
「うん。気づいたら側にいてくれる、そしてプレゼントを持ってきてくれる、いつも貰ってばかりいてごめんね。ありがとう、何かお返ししなくちゃ」
「(笑)いらないよ、御礼なんて俺が好きで渡してるんだから。」
「休み時間は決まってここだね?なんか食べなきゃバテるぞ。」
「ウイダーインゼリー食べた」
「そんなんで午後もつのか?」
「ここ結構人通り有るからハズかしい」
「てゆうかよく見てるね(照笑)」
「まあね」
僕が彼女に行為を、持ってる事は言いたくない。この関係が壊れてしまう気がして。
三年も彼女のことを見ていてやっと2週間前から話しかける勇気が出たのに離れられるのが怖い。
あれから半年が経った。帰りが一緒になってバスも一緒になった。
「隣いい?」
「え」
「あ、うん。」
彼女からの初めての言葉
「長いな30分もバスで帰るとなると」
「どこで降りるの?」
「終点」
「私も」
「そう?」
わりかし近所なのか??ちょっと嬉しかったりする。
「着いたよ」
「あ。うとうとしちゃった。」
降りたとたんに彼女にキスされた。しかも唇だ。
「してほしそうだったからっ」
気づかれてた。
「じゃあ私こっちだから」
「俺もなんだけど」
「え。サプライズだったのに~」
「あのさ」
「ん?」
「も一回して」
「今日はもう駄目」
「私4年前から住んでるんだ」
「え~っ!!!」
「じゃあまたね、おやすみキスはもうないかも、彼氏じゃないからっ。」
完