映画「バブル」を観てきたよ

バブルというのは日本の経済が絶好調だったころの空前の好景気のこと……ではなく劇場アニメである。原作モノではなくオリジナルアニメ。キャッチコピーは「重力は壊れた、好きに跳べ
別の映画を観たときに流れた予告編の映像がめちゃくちゃ綺麗、かつキャッチコピーにたがわぬアクロバティックな動き、設定もSFっぽかったので興味をそそられた。

関わっているクリエイターが豪華だ。監督荒木哲郎、キャラデザ小畑健、脚本が虚淵玄。有名人しかいない。彼等の代表作は「進撃の巨人」「DEATH NOTE」「Fate/Zero」「魔法少女まどか☆マギカ」。
のっけから巨人に町民が喰われまくったり主人公が人を殺しまくった挙句相棒に見捨てられたり数人を除いて全員バッドエンドを迎えたり3話で頼れる先輩キャラの首が物理的にアレしたりと視聴者を引き付ける素晴らしい作品を手掛けている人たちばっかりだ。
この作品大丈夫……?

大丈夫だった。


予告編で見た通り、リアルかつ幻想的な空間を色彩豊かに描いた映像美と、躍動感あふれる爽快なアクションが魅力の、王道ボーイミーツガールストーリーだった。
評価としてはまずまず。少なくとも僕は楽しめた。

あらすじ

舞台はある日、突然どこからか「重力」を操る泡が降り注ぎ混乱に陥った世界。
その中でも東京は、なぜか起きてしまった泡の大爆発によって水没してしまう。人々は東京を脱出するが、廃墟となった街には刺激を求めて少年たちが集まり、共同体を築きあげ、崩れた建造物や宙に浮かぶバブルを使って飛んだり跳ねたりのアクロバティックなレースが繰り広げられるようになる。
天才的なセンスでチームのエースを務めながらも、仲間にも心を開かなかった少年ヒビキは、「泡」から生まれた謎の少女「ウタ」と出会い、やがて心を通わせていく。「泡」とは何か。なぜ大爆発は起きたのか。二人の恋の行く果ては……?という感じのストーリー

映像のクオリティが高い!


ヒロインのウタの愛らしさやいじらしさや、文字通り重力を超越した縦横無尽のアクションの爽快感もさることながら、とにかく映像が綺麗。一番印象に残っているのは屋上庭園でヒビキとウタが過ごすシーン。
植物や水の表現がみずみずしい。何より自分たちの気持ちに気付くシーンでもあり幻想的な雰囲気が美しくて印象深い。全編通してシーンづくりが巧みだなあという印象を受けた。
終盤のアクションシーンは進撃の巨人の対巨人戦を思わせるほどで、さすがに監督が同じなだけはある。

また、世界観もなかなか壮大、冒頭のシーンで分かるのだが、バブルは宇宙からやってきた存在なのだ。人間の常識では測れない存在。それがバブルである。
個人的には物語の中盤で、研究者の女性が主人公たちに向けて言うとあるセリフが印象深かった。宇宙をモチーフにした遠大な話ながら、そこにはどこか優しさや救いみたいなものがあって、それこそが虚淵が最も伝えたいテーマなのかもしれない。

ちなみにプロデューサーは川村元気が務めている。川村と言えば数々の名作を世に送り出した敏腕プロデューサーで、あの新海誠のお目付け役である。
「ほしのこえ」では遠い宇宙空間で永遠に彼氏と会えなくなった少女を描き、「空のむこう約束の場所」では両想いだった少女から記憶を奪い、「秒速5センチメートル」では、思い続けた初恋の相手を見かけるも結婚指輪をはめているシーンで物語を締めるという、希代のバットエンドメーカーである。
あの超ヒット作「君の名は」でも懲りずにバッドエンドかまそうとした新海誠の横っ面ひっぱたいて光の側に引き戻したともっぱらの噂。
今回の映画も川村元気が絡んでなかったら世界の1つや2つ滅んでいた可能性がある。

とはいえ彼は彼で新海誠と組んだ最新作、「天気の子」のラストで東京を水没させた過去があり、今作「バブル」ではしょっぱなから水没である。東京に何か恨みでもあるのか。
横浜市出身とのことで東京にライバル意識があるのかもしれない。よそう横浜人。日本人同士が争っても仕方がない。

こんな感じで、「バブル」は有名原作があるわけでも大長編でもないが、良く纏まった質の高い作品である。

興行収入的にはやや不振も。

興行収入面では、さほど上位に顔を出していない。Yahooコメントなどでは、やや低評な声も聞こえてくる。
まあ考えてみれば同時期にドクターストレンジやらシン・ウルトラマンやら劇場版free!やら他にも有名な大作が多い中ではどうしても地味な作品だ。

王道ということはイコールストーリーの予想が付きやすいってことだし、オリジナル作品だとキャラクターになじみがない為、キャラクター性が愛着がわくまで時間がかかってしまう。
そういう意味では、本作の主人公ヒビキとウタは「インパクト」には欠けるかもしれない。良くも悪くもまとまったキャラクターである。ヒビキはエキセントリックな性格の少年ボウイじゃない、ウタは突然歌ったり鶏小屋から卵を盗んで握りつぶしたりするが、このくらいではアニメの世界では全然常識人の部類である。もっとパンチの利いたキャラじゃないと、という人はいるかもしれない。僕は展開や成長も含めて、ヒビキもウタも、周りの仲間たちも魅力的なキャラだとは思ったが。

自分が面白いと思った作品に人気が出ないと自分の感性がバカ舌な気がして自信がなくなってしまう。
でも、ヤフコメの評価が低いからって、面白かったって言うの、日和ってる奴いる?いねえよなぁ!?
心の中のやんちゃボーイがヤフコメの大人達にリベンジである。
それに、ストーリーやキャラに賛否両論あったとしても、映像美とアクロバティックなアクションに対する評価の高さはほぼ一致している。そういうシーンを見るだけでも一見の価値はある映画だな、と思った。

重力が壊れているのでオチはありません。

映画『バブル』本予告 劇場版2022年5月13日(金)公開



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FT

こんにちは!
アニメや映画、プロ野球を見たり、本を読むのが好きです。
浅く広くいろんな作品に触れていくタイプなので、それを活かして記事を書いていこうと思います。よろしくお願いします!

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