つぶやき~農業高校生の日常③2年生 豚に恋をした~

(※前回と同じく少々グロテスクな表現が書かれています。それが苦手な方は閲覧をお控えください)

高校生の春、
私は豚舎に入った
豚舎に立ち込める豚の獣臭と糞尿の匂い
そこにはたくさんの大人の雌豚がいた
その中に一頭の雄豚がいた。近づいてみるとバークシャーという四肢が白靴下の黒い豚だった
彼の名はしし丸。この高校の唯一の雄豚だという
しし丸と目が合った
私の目の中がきらりと光る
胸の奥をきゅーーーーうと掴まれる

私は、豚に恋をした。

――――――プロローグ

まぁ、本当にこんな風に恋に落ちたのかは覚えてないけどね笑
実際は違うと思う
まぁいいや、イメージこんな感じで高校に入ったばかりの私は一瞬で豚に一目惚れしたのであった

友達はこの事も知っているので
私=豚になっていた

豚の話は前回書いたつぶやき~農業高校生の日常➁1年生 鶏~ほど話がまとまってなくて、
話が飛び飛びなのである
でもこの高校生生活バラ色ならぬ、豚色に染まっていたのは確かである
(ほんとだもん!ほんとに豚色に染まっていたんだもん!ウソじゃないもん!)

実習は…
どれが最初だったかわからないけど、
子豚の鉄分投与をしたことは覚えてる
豚の乳の中には鉄分が含まれていないため、私たち飼育者があとから鉄分を投与するのだ
豚を捕まえて耳の後ろに打つ
耳の後ろに打つのは何か理由があったんだけど、なんだったっけ?(おい)
だんだん畜産科の知識が失われていっているのが悲しい…

ぎゃああああぎゃああああと言われながら子豚を捕まえる
これももちろん自分達でやる
柵で囲われていて一応はこっちには来ないけど親豚に攻撃されないように子豚を捕まえる
子豚を持ち上げると、赤黒い液体の入ったぶっとい注射針で耳の後ろに刺す
子豚はさっきよりもっとぎゃあああああぎゃあああああと声を上げる
そして注射が終わると
子豚を柵の中に戻し、子豚は逃げるように端っこに逃げていく

そう、豚の実習はこんな感じ
なにかぎゃあああああと叫ばれる事(注射とか体重測定とか)をやって
子豚の場合は母豚に早く返せーーー!と怒られ(ちゃんと母親やってるんだねぇ ほっこり)
柵に戻すと人間不信になって端の方に子豚同士固まって警戒する
(よく角にお尻合わせてこっち向いて警戒したり、角に頭向けて頭隠して尻隠さずやったりして可愛いよ~)

その実習の代名詞となるのが、そう、去勢なのである

男子と一緒に豚の四肢を持って、仰向けにして台に乗せる
子豚はだいたいみんなが想像するような中型犬くらいの大きさ
そう、みんな豚はだいたいはこのくらいの大きさだと思っている人が多いかもしれないが、
畜産をよく知っている人はわかる通り、こんなもんじゃない。
軽く小さめの会議室の机くらいの大きさがある
高さも私たちの腰の高さまである

「えっ!?そんなに大きいの!?」
と思うかもしれないが
それが豚のMaxの大きさなのである

しかも雌豚。

みんなが想像している豚はだいたい今四肢を持っているこの豚で
このサイズの豚は出荷される前の豚の大きさなのである

なお、出荷されるときは、もう一回り大きい。
そして、豚は生後6カ月で出荷される

お分かりいただけただろうか
豚は1歳の誕生日を迎えることなく出荷されるのだ
生後わずか半年で出荷されるのだから

話を戻し、
仰向けにした豚を台に乗っける。
そしてメスならぬ、カミソリを用意する(Oh…)

お尻から睾丸(※自分で調べてください)を突き出し二つの袋に縦にカミソリを入れる

この時点で豚はぎゃああああああぎゃあああああ!!!と大きな叫び声を上げる

そしてその切り口から枝豆を出すように、プリッと睾丸を出す
豚はさらに叫び声を増す

男子は何とも言えぬ複雑な表情をしている
(やめろその顔)

そして
睾丸とお尻を繋いでいる管を昔切符を切っていた改札ばさみみたいなハサミで挟んで固定する
こうして睾丸を繋いでいる管の血流を止めていく
血流が止まったら、そのまま管を切っていく

これで去勢は完成☆

そのあとどうするかというと、
先程入れた傷口にうがい薬みたいな赤茶色の消毒液を流し込む
もちろん傷口は縫いま…

縫いません!!

😲

今なんて?

縫わない?

そうです!!
去勢した後の傷口は縫わないそうです
理由は縫うこと自体大変なこと、あとお金がかかるからなんだそうです笑
いやぁ、そこは縫ってあげようよ笑
私もそれは残酷だなぁと思いました
そして同時に、これこそ、畜産だなぁと感じました
豚たちは赤茶色の消毒液を垂れ流しながら、柵の中に解き放たれました

そのあと豚はどうなったかって?
上記に書いた通り、
人間不信になりました。
もう角に固まって動きません
何があっても動くものか。
って表情で固まってます

その後しばらくして授業が終わりました
授業が終わったあと先生が豚たちにおやつをちらつかせました
すると、去勢が終わった豚たちは
「おやつぅ~💕♡」
と先生のもとに走ってきました

おい!おいおいおい!
あのさっきの3コマ前の人間不信はどこやったんだよ!

あんな辛いことがあったのに、
エサ一個で機嫌が直っちゃう

そんなアホなところも好き♡

そしてPS
さっき切り取ったあの睾丸なんだけど、
誰か男子が食べたらしい🙄

前半から結構ヘビー級な話をしたのでここから箸休めとしますか
#ここまでで#まだ前半#わら#豚エピヘビー級#胃もたれする#そういえば私#胃もたれしたことないな#まぁいいや#そんな話どうでもええか

農業高校あるある

学校で授業を受けていると
牛舎が近いのでハエがブーンと飛んでくる

ビジネス科
ハエが一匹背中にとまる
「ギャーーーーーーーーーー!!!」
教室内大荒れ

畜産科
ハエが寝ている子の背中に4匹とまる
「あ、ねぇねぇ見て見て、あの子の背中にハエ4匹とまってるよ」
「ほんとだ、へへへ笑笑」
で終わる
耐性つよ

あとこれは
農業高校あるあるでもあるし、動物関係の仕事あるあるなんだけど
お弁当中でもふつうに「○尾!」「う○こ!」という言葉が飛んでくる
それでも、私たちは平然と飯をパクパク食っている

畜産の教室は
朝は「コケコッコー」から始まり
昼は牛のモアッとした匂いがぷーんと漂う

豚舎で出産があった日にゃ
みんなで集まって、豚担当の先生が助産師さん並みの介助をしていて、
生まれてきた子豚はまさに天使ッッッッッッ!!!!!

いやぁこれが私たちの日常だったよねぇ
そして私はいつも言っていた

私の旦那はしし丸だっ!!

そして基本子豚、子牛は天使。
これ基本。

あと私はよく
ℚ豚肉とか食べれなくなったりしませんでしたか?
と聞かれるのだが、

No!!

むしろその逆
豚が生まれるところから、育って、肥育して、出荷されるところまで見ているから、
こんなに元気よく育ってくれたんだから、ちゃんと美味しくあげないとねっ!と思う
畜産動物の一番何が悲しいかと言ったら、
畜産動物は病気や感染症などで(感染症が発生したその個体だけではなく、その周辺にいた個体も、衛生面のため感染したしてない関係なく)殺されてしまうから
せっかく育ってきたのに、誰の肉にもならず殺されてしまうのが一番かわいそうなんだよね
だから私たちがちゃんと食べてあげなきゃ!と思う

ではでは、ヘビー級の話に戻っていこう~(※ぎゃああああああ)

私たちは実習が終わったとある日、
暗い部屋に連れ込まれた
なにが始まるんだろうと思ったら、映画館みたいに、黒板に映像が流れてきた
すると次々ととんでもない映像が流れてきた

ステンレスの細い道に、機械の大きな板で追い込まれる豚
その先には何やら豚のサイズにぴったりの柵みたいなものが設置してあった
一匹の豚が不思議な顔でその柵の中に待っていると、
いきなり
バチン!!
両サイドから電気ショックが

そのまま豚は気絶したまま、前のベルトコンベアに流れていった
そして、前で待機していた従業員さんが豚の首を刺して血抜きを始めたのであった…
そう、ここは食肉センター
通称”屠畜場”

出来れば生で見たかったけど、
私たちは牛と豚の屠畜現場をビデオ越しに見た。
その残酷さをかき消すように軽快にオルゴールが流れていた
(その後このオルゴールのメロディーが家でお葬式のCMで流れてきてこのトラウマを思い出したのは言うまでもない…)
豚は両サイドを電気ショックを与えられて、
牛はおでこに専用の大きな銃のようなもので大きな穴を空けられて、脳みそをワイヤーのような糸でぐちゃぐちゃにされ、
そのあとの工程は一緒だった

首元に切り込みを入れられた後、
逆さに吊るされそのまま次の工程に運ばれる。その間、豚は生きようとして吊るされたまま何度も暴れる
でもそれも虚しく、息絶えて静かになったころには次の工程

(順番忘れちゃったけど)

その後は手足を切断したり、
皮を剥いだり、頭も取れてほぼ肉になった豚を背中を真っ二つにしたり、淡々と作業が進んでいった

こんなショッキングな映像が流れているのに、
私たち生徒たちは「わーすげぇ。わーすげぇ。」
しか言わない
今思えば私たち生徒もメンタルマジですごい

そういえば、
私たちの高校のOBで食肉センターに勤めている人は
豚の皮を機械で剥ぐとき、自分の指も持っていかれそうになって、
親指が取れていたようないないような。

ミニブタ

ミニブタと畜産の豚は全然違うんだよ
というより、ミニブタも畜産の豚も実は中身は全く同じ。

ミニブタというのは、
畜産の豚の未熟児を掛け合わせたもので
よく「ミニブタを飼ったつもりだったのに、こんなに大きくなっちゃった!」
なんて言うけど私たちからすれば当たり前。
「私たち夫婦背低い者同士なのに息子がこんなに大きくなっちゃった!」
と言っているようなもの。

と、まあこんな感じで
豚を習った高校二年生は血と汗と涙と血と血で青春を走っていったとさ
この時代が私の中で一番濃い部分、そして一番楽しかった思い出
いや、一番楽しかった思い出は美術部もあるか
どっちの思い出も一位ってことで
(というか高校の三年間すべてが一位だ)
私が夏休みにインターンシップで養豚場に行った話もあるけど、
またそれは別で話すか
ということで、豚の学年はここまで~

ここでちょっと小話
最近冬に豚バラと白菜のミルフィーユ鍋にハマって
夕飯ずっとミルフィーユ鍋を食べていた
でもずっと食べ続けていると、豚バラの脂が胃もたれしてきて(人生初☆胃もたれ)←あれ?胃もたれしてるなぁ
もっとヘルシーな肉にしようかと考えていた
スーパーに入ったある日
私の目に入った肉がいた

モモだ…!

そうだ!ヘルシーで
しかも安い、お財布に優しいじゃないか!

そう思い早速
モモ肉でミルフィーユ鍋を作ってみた
これで成功したら
お肉も安く済むし、私の財布は安泰だ…✨

と思っていたのだが、
ん、おいしい、おいしいけど、
なんか、硬い

味も染みてておいしいんだけど
なんか硬いな

結局
私は脂のおいしいバラ肉に戻ることにした
ただいまバラ肉
そして脂に感謝。

(畜産科卒だというのに、バラとモモ肉の特徴を今になって調べるというね乙 まぁでも、人間って必要になった時に調べるよね~)

つぶやき~農業高校生の日常②1年生 鶏~

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