アニメ

今季のオリジナルアニメは一味違う

連日の酷暑で日中は活動するのも一苦労。やっぱ夜が一番落ち着くんだよな

ということで深夜アニメの新クールが始まったわけだが、昨今は本数が本当に多くて、日時被りとか平気であるからチェックするのが大変である。アクション系やサスペンス系はチェックしたい。日常系も捨てがたいし、有名な大作の続編も気になるところだ。

そしてアニメは精神修養の一環でもある。時に厳しいトレーニングを積むことで人として成長できるのだ。だから僕たちは見なくてはならない。ラブコメをね。

そんなわけで気になるアニメの本数が多すぎる。でも放送枠は有限。同じ日時に放映されるアニメのなんと多いこと。全部見ようとすれば日時がかぶってしまう。

ニコニコ動画では一部のアニメが無料で配信されているのでそっちで見るのも手であるが、僕にとって「後で見よう」の「後」は大体やってこない。実質「切り」である。そんな感じでメインで見るアニメはだいぶ絞られてくるのだが、思ったことがひとつ。

今期はオリジナルアニメが強い。特に面白いと思ったのが2つある。3話くらいまでのネタバレが入ってしまうが、仏の顔も三度までというように、3話まではネタバレではないのだ。大体物語が動くのは3話だから、こういうテイストのアニメだよと知ってもらうにもちょうどいい。でも1話の1秒たりともネタバレを許さないという原理主義の方もいらっしゃると思うので、そういう方は戻るをクリックだ。

リコリス・リコイル #百合 #痛快アクション #演出力 #百合

痛快アクション&百合が素敵すぎる、王道バディもの。

キャラクターの魅力もさることながら、セリフや表情や背景など、すべてのシーンに何らかの意味が込められているであろう演出力が見事である。

前の話でさりげなく描かれていたシーンが今の話で重要な意味を持つようになるなど、脚本も巧み。

個人的には今季の中で1位だと思っている。

物語の舞台は近未来の日本。世界一の治安を誇るこの国では犯罪など起きないし、犯罪者もいない。

なぜなら犯罪は未然に防がれるし、起きてしまった事件は事故として扱われるし、犯罪者は闇に葬られるからだ。その治安を担うのがDAという組織。訓練された孤児たちからなるエージェントはリコリスとよばれ、殺しも許可されている。

人質に取られた仲間を救うために命令を無視し、大事な情報を握っているであろう犯人たちを機銃掃射でオールキルしたために本部から飛ばされた井上たきなが転属(追放)先の喫茶リコリコで、歴代最強と言われた元リコリス、錦木千束(にしきぎちとせ←変換できねぇ)と出会うところから物語が始まる。

なんといってもこの二人のキャラクターがすばらしい。
千束は明るく元気でテンションが高い。日々身近な困った人の困りごとを解決しているが、いざ事件となれば、歴代最強と呼ばれる実力は本物。超人的な反射神経と洞察力を持ち、なんと超至近距離から銃を連射されてもそのすべてを避ける。だが彼女は決して人を殺さない。自分の銃はゴム弾だし、戦闘が終われば敵であっても応急処置を施す。かつて大規模なテロを一人で解決したという過去をもつが、それが何らかの影響を及ぼしているのかもしれない

基本的に自分の気持ち最優先でスーパーカーや古い映画、美味しいものに目が無い。

声もいいし、しゃべり方がとにかくいい。ちょっとしたセリフが全部やみつきになる。たきなにはじめて会った時の自己紹介のハイテンションっぷりや、かつての仲間にメンチ切ったり(語彙が中学生並み)するところなど、見所はたくさんあるのだが、一番いいのは1話ラストでたきなが喫茶リコリスの制服を着た時の大興奮っぷり。超早口の「なになにやばやばちょー(↑)にあうじゃああん(↑)」の言い方はちょっと聞いたことない独特のイントネーションでマジで癖になる。早口すぎて聞き取れないのでセリフが正しいか怪しいがニコニコ動画で速度0・25倍にして聞きまくったので多分これであってると思う。

相棒のたきなも、バディもののキャラクターとして理想的な成長の仕方をしている。当初リコリスとして本部に戻る事しか考えておらず、成果を上げる事に躍起になっていた。クールで無表情だがそれは冷静というより世間を知らないが故の幼さであり、リコリスであること以外に存在意義を見いだせていなかった。

はじめはDAに戻りたい余り視野が狭く頑ななたきなが千束とふれあううちについに心を開き、初めて笑顔をみせ、呼び捨てにする3話のラストシーンはあまりにもエモーショナルであるちょーかわいいじゃああああん?

勿論アクションも素晴らしい。たった一人で、銃を持った集団を制圧できる千束のカッコよさは半端ない。1話や2話で複数人相手に至近距離から銃を撃たれまくっても全てを華麗に躱しながら敵を倒すシーンのスタイリッシュさはリピート必至だし、千束ほどの柔軟さや体術はないが、派手に動く車の中からはるか後方のドローンを正確に撃ち抜くたきなの射撃の天才っぷりも見事である。

バディものとして、そして百合ものとして素晴らしい話が続く一方、その裏でDAと言う組織の闇、千束の過去、そして敵の組織の真の目的などが次第に明かされてきている。コミカルで可愛らしい日常シーンがあるからこそ、かえって不穏な空気も色濃く漂う演出の妙も見事。

詳しいことはネタバレになってしまうが、黒幕の目的を考えると、千束が今後どうなっていくかが見どころである

今後千束の弱い部分や影の部分も描かれていくだろうし、たきながそんな千束の支えになっていくのではないか。バディものの一番の見せ所である。

平気で殺人が起きる時点で穏やかじゃない雰囲気もあるが、製作者側が「明るい話」を作りたいと言っているのできっとまどマギったりしないだろう。期待している。

何はともあれ、少なくとも現時点では超良作アニメといって間違いない。

1~3話を見た後で4話のたきなを見るとマジで可愛いぞ!

エンゲージキス #スタイリッシュ #昼ドラ #謎 #クズ

これまためっちゃ見ごたえあるオリジナルアニメ。

予測不能なラブコメディ!がうたい文句。確かにその通りだし、笑えるシーンもたくさんあるのだが、これをラブコメディ!と言ってしまう製作者はきっと性格が悪い

舞台はベイロンシティと言う太平洋に浮かぶ独立都市。

ここでは悪魔による災害通称D災害が発生し、事実を隠ぺいするために行政府は民間の軍事会社=PMCに解決を依頼している。

主人公のシュウはフリーランスのPMCで、パートナーのキサラとたった二人で零細事務所を経営している。

まずこのシュウというのが清々しいまでのクズ。何せ生活費が皆無に等しいため、電気もガスも止まっているのだが、なんと、シュウにべたぼれのキサラ(悪魔だけどれっきとした女子高生)のバイト代で電気代やガス代を払うという中々極まったヒモっぷりであり、同時に元カノのアヤノ(大企業の令嬢にして同業者)に飯をおごってもらい(仕事の話をしながらではあるが)、話の流れで携帯電話料金を肩代わりしてもらうという甲斐性のなさ。EDやCMではパチスロでなけなしの金を溶かし、キサラが生活費に取って置いた金を知らずにレースにつぎ込むんでいることが示唆される地獄のような主人公である。

だがキサラはキサラで恐ろしい子であり、戦いで負ったであろう傷をシュウからのDVを受けていると誤解されても訂正しないし、ほぼ毎日ストーカー行為するし、ピンチに乗じて合鍵を要求するし、ベッドにもぐりこんで一発やらかした直後かのような写真をアヤノに送り付けるし、あげくアヤノと刑事の男が話しているのを写真にとってラブホテルの写真と合成してシュウに送るという悪魔のごときJKである。実際悪魔なのだが

アヤノはアヤノで、普段はしっかりものリーダーシップのある頼れる存在なのだが、こと恋愛になると女子高生と本気で張り合うし、母曰くシュウに「貢ぎまくってる」系の女性である。

付き合ってる頃からシュウは約束を破ったり大遅刻したり、大事な思い出を忘れたりとアヤノを何回も怒らせてはヘラヘラと謝っているような男だったらしく、そんな相手にずっと未練があるアヤノもなかなかだと言わざるを得ない。

しかし、アヤノはここまでべたぼれで、シュウのほうもアヤノのことを憎からず思っている節がある。何故二人は別れたのか。別れた後も何故全く反省せずシュウはアヤノを怒らせるのか。相手の心を理解していないような薄っぺらい謝罪しかできないのか。

一つは、シュウにはどうしても成し遂げたい目標があるから。

そしてもうひとつ。シュウは過去のことを覚えていないからである。

まず一つ目は、「悪魔への復讐と、妹の救出」である。シュウは幼い頃、家族を悪魔に殺されてしまっていた。ただ、妹は生死が分かっていない。その悪魔を探し出して復讐をとげ、妹を救出するためにシュウはずっと命を顧みず戦い続けていた。アヤノにもだれにも頼らず。シュウを大切に思うアヤノはそのことにずっと怒りを感じていたのだ。

そして二つ目。シュウが相手の怒りを心底で理解できていないのも仕方ないことなのだ。なぜなら本当に覚えていないから。

強大な悪魔をものともしないキサラもまた悪魔である。どれだけシュウを愛していても、その性質上無条件に力を発揮することはできない。キサラがそのチカラを発揮するためには、シュウとその都度「契約のキス」をしなくてはならない。悪魔との契約には代償が必要だ。ではシュウが払うべき代償は何か。それは自分の「記憶」である。彼はキサラの力を解放するたびに記憶をささげなければいけない。いつごろの記憶をどのくらい明け渡すかはシュウの任意だが、シュウにとって家族の記憶は絶対なくしてはいけないもの。逆にそれ以外の記憶はどんな大事なものでも目的のためには犠牲にしてしまう覚悟をもっている。

この作品の方向性がはっきり見えたのが第3話である。

アヤノたちとともに強大な悪魔を討伐する任務の際、アヤノが危機に陥る。その窮地を救うためにはキサラの力を解放しなければならない。シュウが代償にささげられる記憶はもう少ない。シュウは、残していた大切な記憶―アヤノと付き合っていたしあわせな日々の記憶―を差し出したのだ。

アヤノと言うシュウにとって大切な人を守るために、その人の記憶を捨てる。

シュウにとってもアヤノにとっても辛いこと、だが、本当につらいのはだれか。

キサラは契約のキスを交わす瞬間、シュウにこう告げる。「シュウは最低だね。愛してた女を助けるために、愛してもいない女と抱き合うなんて」

そう、なんとあれだけシュウに執着しているキサラは実は、シュウの想いが自分ではなくアヤノにあることを知っているのだ。

シュウはアヤノを救うために自分を利用し――しかもそのアヤノを愛した日々の事を記憶から消してしまう。怒りのやり場もない。何より、「シュウがアヤノを愛していた思い出」はキサラの中に残る。好きな男が別の女を愛しあってイチャイチャしていた記憶を刻み込まれてしまうのだ。

シュウとアヤノに対して感じるのはきっと罪悪感に嫉妬に悲しみ、愛情……もう感情がぐちゃぐちゃになってしまう。ちょっとえぐい。

そう考えたらちょっとおイタ(イタズラ行為、イタい言動)するくらい可愛いもの……やっぱダメだな。

というわけで登場人物皆クセが強いので見ていて面白い。

シュウにしたって遅刻やすっぽかしは目的のためで軽薄な態度は記憶がないからだが、JKや元カノに養ってもらっている上になけなしの金で賭け事に手を出したりしてるのはそれとは関係なくただのクズでありやっぱりシュウ君最低だね……。

ともあれ。3人の関係も、シュウの家族を殺した悪魔の正体も、何やら企んでいるであろう上層部も含めて一筋縄ではいかない、先が滅茶苦茶気になるアニメである。

ちなみに最新話ではアヤノが恐るべき深夜アニメ的積極性を見せ、キサラがすぐさまその記憶をシュウから奪うというドロドロの三角関係が展開された。この子達ほんと逞しい。設定はヘビーだが彼らなら持ち前のクズっぷりで本当に、清く正しいドロドロ昼ドララブコメディーにしてくれるかもしれない。楽しみだ。

FT

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浅く広くいろんな作品に触れていくタイプなので、それを活かして記事を書いていこうと思います。よろしくお願いします!


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